小学部αコースの教育理念
小学部αコースは、数ある中学受験専門塾または中学受験対応の既存の教育機関とは異なる、独自の教育理念に基づく小学生教育を実現するコースです。
指導理念を「単なる中学受験及びその合格」のみに止めることなく、多感で柔軟なこの時期の小学生に義務教育内容レベルの学習に収まらないハイレベルな指導内容を提示します。子供たちの知的好奇心を刺激し、自発的な意欲を涵養しつつ、広範囲な学問的興味と幅広い知識の獲得を目指します。そして、受験=合格のみを目的とする一般的学習と差別化し、受験の手段としての学習だけではない、「本来の学習」を追求していきます。
■子供達の可能性を追求する
日新義塾小学部αコースは中学受験対応コースであると同時に、小学生の段階から我々講師とともに厳しいトレーニングを積んでいくコースです。10歳から12歳の子供達が、大人(大学受験勉強中の高校3年生や保護者の皆様)でさえ頭を抱え込むような難問に日々挑んでいくのです。学校の勉強だけを行っていくならば100点を目標にするのが当たり前ですが、中学入試では60点から70点が高得点なのです。したがって、できない問題が半分以上もあるというケースは日常茶飯事です。入試本番で勝ち抜くための日々のトレーニングは「簡単な内容の反復演習」だけではなく「何度もチャレンジしてやっと正解にたどり着く」ということも必要になってきます。だからこそ、αコースに入るには、できないことに挑戦していこうとする「志」が必要となります。このようなトレーニングを年単位で続けていくことによって、子供達の学力、そして精神力は鍛えられていくのです。
その中で、中学受験時に結果が出る子供もいれば、高校受験や大学受験で結果を出す子供もいます。ですから、小学生の段階で思い通りの結果を出せなかったとしても、公立中学に進学し高得点を取り、上位高校に進学した卒業生はたくさんいます。我々は日新義塾の小学部、中学部、そして高校部を全て見ています。そして、そんな卒業生達の姿を見て、「学力はいくつになっても伸ばせる」ということを学んできました。必ず、小学部αコースで培ったことが、子供達の将来の学力に繋がることを信じ、日新義塾では授業を進めていきます。だからこそ、子供達の進むべき道は複数提示していきたいと考えています。
■大人の責任は重大
ただ「勉強内容を教える」だけで全てが理解できる子供はほんの一握りです。上述の通り、一朝一夕では出来るようにならない中で、日々ハードなトレーニングを行うことは、時に容易ではありません。未熟な子供は心が折れ、困難なことから逃げ出したい気持ちになるものではないでしょうか。そんな時に、我々大人は子供達に対してどのような言動を取るべきでしょうか。
我々日新義塾の講師陣は、目の前に座っている生徒達に「強い子供になってほしい」と思いながら、日々授業中に様々な「説得」を行っていきます。つまり「自分自身の良くない現状」をしっかりと認識してもらうと同時に、「夢」や「希望」「志」を積極的に語ります。「こんなこともできないのか?」、「何回言ったらわかるんだ」と言ったような言葉ばかりを毎日聞かされる子供の意欲は一体どうなっていくでしょうか?また、できないことを放っておかれる子供の勉強に対する意識は一体どうなってしまうのでしょうか?子供達にとって小学校時代に、「どんな環境で勉強をするか」「どんな講師に教わるか」、また保護者の皆様や周りから「どのような承認を受けているのか」ということは、子供達の今後に非常に大きな影響を与えます。その「覚悟」を我々大人も持つべきだと考えています。
小学部αコースの指導方針
教師が話し、生徒はただ聞いているという「一方通行的授業」を厳しく戒め、教師と生徒の「対話」を中心とした「双方向的な授業」形式を取っています。古来、名教師といわれるような人間達の授業は、例外なく生徒との対話を基盤に成立していましたし、何よりも対話のみが人間を育てる最良の指導方式である、ということは常識となっています(自問自答などはその極体です)。
もちろん、形式的に生徒と「会話」するだけではこの効果は望むべくもなく、まるで「似て非なるもの」となります。上述のような理想の授業を実現する為に不可欠なものは、生徒と教師の「人間関係」であり、その関係は「互いの相手への関心」によって強固なものとなります。αコースに限らず、日新義塾では生徒1人ひとりへ関心を注ぐ人間を「理想の教師」と位置づけています。
■国語
日新義塾では「国語=日本語=母国語」教育の重要性を徹底的に追求し、独自の方法論に基づいた指導を行っています。人間はものを考える時に、必ず言葉を使って考えます。言語と人間は密接に結びついており、高度な思考には高度な言語運用能力が必要であるという事実を踏まえ、様々なジャンルの物語文、論説文、古典などの文章読解を通して言語運用能力を段階的に引き上げていく指導を日々の授業で行います。
主な指導教材は、読解用教材として「新小学問題集」「サーパス」(教育開発)、また私立中学校の入試問題過去問を取り扱います。語句暗記用として「完成語句文法」(日能研ブックス)さらに独自の漢字用テキスト「小学部α漢字特訓」を使用します。子供達の文学的素養の向上のために、読書を授業に取り入れることもあります。
■算数
多くの中学受験専門塾が「算数指導の重要性」を強調し、「長大な指導時間」を競い合っています。「算数のできが受験を左右する」ということは学習塾業界では一般的です。「あらゆる問題パターン」に対する「最も合理的な解法」を徹底伝授することが、算数教師の唯一の責務であるかのようです。もちろん、そのようなある種「テクニック的な指導」も必要ですが、日新義塾の考える算数指導はテクニックだけには止まりません。算数・数学という抽象的思考の学問は、人間に独特の興奮をもたらします。生徒達が「あっ、分かった!!」と思わず言うことは、算数が圧倒的に多く、他の科目では得られない知的な刺激です。一つの問いに対する様々な解法・アプローチの指導を通じて、先人達の築き上げてきた「人間理性の粋」ともいうべき初等数学の醍醐味を生徒達に伝えていきます。
主な指導教材は、「新小学問題集」「サーパス」(教育開発)、また私立中学校の入試過去問を取り扱います。また、計算用教材として、私立中学校の入試過去問から良問を抜粋した「小学部α計算特訓」という独自教材を使用します。
■理科・社会
理科社会は暗記科目であり、徹底的に暗記をして点数を取ることが学習目的である、と誤解されがちな科目です。確かに、基本的事実の暗記は必要不可欠な学習ですが、これらの科目の意義はそれだけではありません。暗記事項の習得を通じて「この世界をどのように把握するか」ということが大切です。地理や理科を通して太陽系、地球、ユーラシア大陸、アジア州、その中の日本といった空間的な見方を広げ、歴史を通して過去数百年数千年にわたる人間の考えや行動を思い、現代と比較できるよう歴史的な見方を拡大し、さらにそれらを踏まえ、現代の政治経済や物理科学における普遍的な原理を理解する。つまり、「今、ここ、自分」を離れ、思考の枠を広げていくことが、理科や社会という科目の意義であると我々は考えます。
およそ現代物理学から自然科学まで、世界の法則を解き明かそうとする「理科」という科目の魅力、歴史に登場する英雄豪傑が人生を賭けて挑んだ異常な体験とその結末は、感動しようと待ち構えている小学生達を魅了して止みません。「点を取ること」ことはもちろん、常にその一歩上をいく授業を目指します。
主な指導教材は、理科では「自由自在」(受験研究社)・「理科コアプラス」(サピックスメソッド)「サーパス」(教育開発)を使用します。社会では「自由自在」、「白地図トレーニング帳」(サピックスメソッド)、「新小学問題集」「サーパス」「重大ニュース」(サピックス小学部)「日本のすがた」(国政調査のジュニア版)などを使用します。
日新義塾と大手塾との大きな違い
日新義塾では「日新義塾にしかできないことを提供する」体制でαコースを運営しています。
担当講師が生徒の顔や名前、得意・不得意などを把握したうえで授業に臨みます。
宿題の取り組み等でわからないものがあったら、気軽に自習に来てください。そして講師に質問しに来てください。授業を担当している講師が責任を持って直接対応します。チューターなどが行うことは絶対にありません。
担当講師が早出・居残りで生徒の面倒を見ることは毎週行われています。保護者様の仕事からの帰りを塾で待って、その間に授業中にできなかった問題を見直す等、うまく塾を使っていただいて構いません。
受付事務や進路指導部ではなく、実際に生徒に毎日授業をしている担当講師が、電話、面談、そして進路指導などを一括して行います。
授業見学はいつでも可能です。予約の必要などはありません。教室も窓張りになっており、どなたにも授業を公開しています。
日新義塾ではまず小4αにおいて「国語」・「算数」に重きを置き、「理科」「社会」は小5αから始めます。大手塾では小4から理社を導入するため、お子様及びご家庭には家庭学習も含めて相当な負担が強いられることになりますが、「理科」「社会」の勉強は小5からで絶対に間に合います。
他塾との違いで最も保護者の方々が不安に思うのは、このような「大手塾との進度の差」(つまり大手塾は日新義塾よりも進度が速い)ですが、日新義塾は小6になってからの追い上げが大手塾とは違います。「小4からずっと高い負荷がかかりつづける大手塾」と「小6になってから怒濤のスピードで追い上げる日新義塾」のどちらがいいかを、通塾を検討する上でよくよく考えてみてください。
中学受験に対する当塾の考えについて
■進学における5つの選択肢
公立中学校
高校入試がある
近隣の塾で教師、定期試験、部活などの情報を把握していることが多い
通学時間が短い
校風としては自由度が高い
公立中高一貫
高校入試がない
倍率が極めて高い
受験勉強の学習内容が、必ずしも中学校での学習内容に活かされるわけではない
私立中高一貫校と比較して費用が格段に安い
私立中高一貫
一部の上位の私立一貫校の大学進学実績は全国トップレベル
高校入試がない
独自の教育方針や校風がある
施設、設備が充実している
私立大学附属中
系列大学に原則進学できる
六大学の附属校などは近年難化傾向
高校入試がない
独自の教育方針や校風がある
施設、設備が充実している
国立大学付属
費用は安く、ハイレベルな環境
他の公立中学校と同様の制度で高校入試がある
教育研究が目的であり、同時に教育実習の場として設立されている
定期試験がやや個性的で点数や成績がとりにくい
算数を例に取り、日新義塾の中学受験コースの具体的な勉強方法をご説明します。算数は暗記科目ではありません。他の科目以上に長時間にわたる反復練習が求められます。したがって、算数の授業(週に2時間)と宿題だけで子供達を成長させることは困難です。
上記のイメージのように全ての中心に週1回の算数の授業が存在します。そして、それを補完する複数の授業や家庭学習があります。これらの学習で扱っている内容を「ほぼ完全にマスター」できたら、それだけでほとんどの中学校で合格ラインを越えることが出来ます。また、公立中学校に進学後でも、他の生徒とは一線を画する学力を身につけて進学することが出来ます。では、どうやってそれを目指したらいいのでしょうか。
① 宿題・課題
毎回の授業で宿題が出されます。日新義塾の授業では、ほとんどの問題できちんと途中式や図をホワイトボードに書いています。それをきちんとノートに写し、自宅で繰り返し練習する必要があります。宿題は「量や時間で成果が出る」とはかぎりません。「適切な内容をできるようになるまで繰り返す」ことが必要です。特に中学受験においては算数の宿題に苦しむことが非常に多く、だからこそ反復トレーニングが重要であり、どんなに算数が苦手でも、反復トレーニングを積めば、入試問題における大問1・大問2を全問正解することも可能です(大問1・2だけで100点中30~40点分あるのが普通です)。
② 個別指導
算数の宿題を自分一人できちんとこなすことができる生徒は、実はそれほど多くはありません。普通の生徒は、「わからない」という理由のもとに途中でやめてしまいます。そこで、日新義塾では、算数の個別指導をお勧めしています。他塾の個別指導や家庭教師との大きな違いとしては以下のようなものが挙げられます。
講師のほとんどが日新義塾の卒業生であり、
この塾で受験を経験した人間が担当する。
集団授業の算数をしている担当が、個人に合わせて
必要な内容、問題を選択する。
集団授業と同じ解法で練習することが出来る。
人によって指導内容、解法が都度異なることがない。
算数は、塾や担当により解法が異なることが多々あります。どれが良いか悪いかという問題ではありません。同じ問題を複数の異なるやり方で指導していたら、多くの生徒達は混乱してしまいます。日新義塾の個別指導では、そのような問題は起きません。
多くの生徒達は小6αになると個別指導を追加選択されていますが、ここ数年は小4α、小5αから個別指導を併用されるご家庭も増えてきています。詳細はお問い合わせください。
③ 計算特訓
上述の個別指導やオプションとは別に、やはり様々な種類の計算練習を欠かすことはできません。各学年とも、週に2時間ずつ計算練習の時間を設けています。
小4α、小5αのクラスでは、整数の四則混合、整数の逆算、小数の四則混合、小数の逆算、分数の四則混合、分数の逆算を単元ごとに反復練習します。小6αでは、実際の入試問題などで、さらに難易度の高い練習を繰り返していきます。
集団授業を基礎として、これら4つを担当講師が管理・把握しています。他の多くの塾のような「縦割り」体制ではありません。授業、管理、できの把握、そして面談や進路指導にわたる全てを現場で授業をしている担当講師が責任を持って取り組んでいます。
④ オプション(小6αのみ、6月中旬より実施予定)
小6αでは、16:30~18:30の授業の後に、さらに2時間(19:00~21:00)問題演習の時間を設定しています。この時間は授業形式ではなく、「今まで扱ってきた問題をひたすら繰り返す時間」です。これは「自宅で問題を解く」ことと何が違うのでしょうか。
これも上記同様、「塾から今やるべき適切な単元や問題の指定」がされ「管理をする講師の元、一言も喋らず集中して取り組む」ことができます。自宅での2時間の学習と塾での2時間の学習の成果は同じではありません。
例えば算数のオプション時間では、計算練習を徹底的に行います。また、それ以外にも、一行問題なども取り扱います。最終的には過去問演習もこの時間で行います。国語のオプションでは、確実に点数の取れる漢字・類義語/対義語・ことわざ・慣用句の暗記と、過去問演習を行います。理科社会は、一問一答的な暗記事項を徹底的に反復練習し、ある程度のレベルに達したところで過去問演習を行います。
オプションで行う内容は、お子様の状況に合わせて個々に扱うものを変える場合もあります。
■合格実績
※過去6年 在籍36名の実績
麻布 1名
西大和学園 1名 ※首都圏模試偏差値76
愛光 1名 ※首都圏模試偏差値71
三田国際(MST) 1名
世田谷学園 1名
神奈川大学附属 4名
青山英和 1名
田園調布学園 1名
開明 1名 ※関西の中学校、首都圏模試偏差値で64
埼玉栄(α医学コース) 1名
森村学園 7名 ※うち1名特待生
昭和女子大附属 1名
日本女子大付属 1名
桐光学園 6名(うち1名特待生)
桐蔭学園 4名
山手学院 1名
関東学院 2名
桜美林 7名
横浜女学院(特進・特待生) 1 名
神奈川学園 2 名
日本大学中学校 1名
日大藤沢 2名
日本大学第三 7名
東海大相模 3名
横浜翠陵 1名
横浜創英 1名
相模女子大 1名
模擬試験
■模擬試験の目的
日新義塾では、小学部αコースの模擬試験を以下のように実施する予定です。
試験の受け方の習得
一回一回の試験で常にミスをせずに、時間内に自分の実力を出し切るのは非常に難しいことです。試験中の時間配分、設問の優先順位、見直しの仕方など、身に付けなければならない技術は数多くあります。それらを、模擬試験を通して指導していきます。
本番(入試)に近い緊張感の体験
公開模試など、他の塾生もいる緊張感が漂う中、集中して試験を受けるという経験を積むことは、教室での勉強では得られないものです。
学力の推移
本人の学力の推移は、1,2回の試験では分かりませんが、半年や1年などある程度の期間でみるとだいたい分かってきます。各教科の担当は常に結果を確認して指導の参考にしていきます。
数多くの母集団の中で自分の位置の確認
志望校判定に代表されるように、同じ目標を持った子供達の中で、一体自分がどのくらいの順位にいるかを知ることは励みにも刺激にもなります。しかし、あくまでその時点での目安ですので、全てを鵜呑みにして一喜一憂することはお勧めできません。模試で合格の可能性がほとんどないと評価されていた生徒が合格することなどは珍しいことではありません。不安な点がありましたら、是非ご相談下さい。
■実施模擬テスト
国私立中学入試模擬試験(教育開発模試)※母集団:約2千人
教育開発研究所が主催する模擬テストです。
首都圏模試(しゅともし) ※母集団:約1万人
受験案内の本にもデータとして使用されている規模の大きな模擬試験です。小5以降合格判定の目安として使っていきます。